与那国語の形容詞3:他の語形

形容詞thagan(高い)、dinan(汚い)を例に、その他の語形を見ていきます。

・感嘆 ~だなぁ!

語根に-anuを付けます。が、語根のaと重なるので、例によって一音になります。

thaga-nu. 高いなあ!

dina-nu. 汚いなあ!

・状況、条件 ~ならば、~ので、~(し)たから

*状況形(circumstancial)と条件形(conditional)の違いが判らないので、曖昧な訳になっています。ご了承ください。

この形を使う場合、語根に-rが付きます。その上で、状況形ならば-ubaを、条件形ならば-yaを足します。

thagar-uba, thagar-ya 高ければ、高いので 

dinar-uba, dinar-ya 汚ければ、汚いので

*語根にrを足すのではなく、状況形を-ruba、条件形を-ryaとすればいいのではないかという考えもあります。が、同じ接尾辞を動詞にも使うので、その際には状況形を-uba、条件形を-yaと設定した方が考えやすく、形容詞語根にrを足すというしわ寄せが言っているわけです。

・理由 ので

語根に理由の-biを足します。

thaga-bi 高いので

dina-bi 汚いので

*理由を表す方法はほかにも連体形+yungaraというのがあるのですが、これを形容詞にも適用できるのかは知らないです……。もし適用できるなら、

thaga-ru yungara 高いから

dina-ru yungara 汚いから

となるわけですが……???

しかし、-bi形式では過去形や否定形などの活用形を使えないはずなので、連体形+yungaraも形容詞に使えるはずですが……???

thaga-ta-ru yungara 高かったから

thaga-minu yungara 高くないから

thaga-minu-ta-ru yungara 高くなかったから